2015年3月15日日曜日

エンゲイジメントないしインゲイジメント



原語はengagementです。発音すると、上のようになります(厳密に言うと、最初のeはエとイの間だと思います)。
いま日本のビジネス界でも、結構使われ始めている言葉の一つです。
仕事に「活力、熱意、夢中、没頭」して取り組むことが求められているからです。

一般的には、結婚を約束する「婚約」として知られていますが、ここでのニュアンスは大分違います。

欧米の教育書を見ていても、この言葉ほど多く見かけるものはありません。
学習にも、「活力、熱意、夢中、没頭」が求められている、といえば通じるでしょうか?
(しかし、学習する時のengagementと仕事上でのengagementがつながっていることは確かです。★)

学習の場合は、ニュアンスとして、「夢中で取り組む 」が一番ピンと来ると思います。
(興味関心を)引く・魅了する」でもいいかもしれません。★★
そういう状況を、教える側が創り出すことが大切なのですが、教科書をカバーする授業では、それはなかなか困難です。教える内容がすでにあるので、興味関心をもつのは、生徒たちに委ねられてしまって、教師側の努力はあまり期待できなくなっています。

この度合いが、学びの質と量に直接影響し、さらにはその子の学校での体験全体を大きく左右するからです。決定づけます。(教科や学校の好き嫌いを、です。)

生徒たちが「夢中で取り組む 」「(興味関心を)引く・魅了する」状況を教える側がつくれたら、『てん』に登場したワシテの先生がしたようなことが起きます。
それは、一度夢中で取り組んだ者が、次の人たちにバトンを渡していくことができます。

ワシテは、自分の創造力を爆発させて点を描きまくるまでは、確実に絵を描くのは嫌いでした。でも、展覧会でたくさんの点を展示して評価されることで、おそらく絵を描くことは好きになりました。そして、絵が苦手という別な子へのアプローチの仕方も学んだのです。

そういう学びは、絵本の中だから可能なのでしょうか?

皆さんの授業では、どのくらいつくれていますか?

管理職なら、それを教職員にどれくらいつくれていますか?

どういう方法を用いましたか? ぜひ教えてください。


★ 単に、学習上のengagementと仕事上でのengagementがつながっているだけではありません。社会とのengagementともつながっていますから、教室の中で確実に生徒たちが「夢中で取り組む 」「(興味関心を)引く・魅了する」状況をつくることは、とてつもなく大事です。それこそが、教師(や管理職)の仕事と言えるぐらいに。それと比べると、教科書をカバーすることは二義的、三義的ものです。

★★ この言葉/概念、すでに日本語でもありそうな気がします。私が思い出せない/気がつけないだけで。いい言葉をご存知の方は、教えてください。
  ある意味で、「フローの状態」に近いとも言えます。

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