埼玉の小学校の先生のBさんが、以下の紹介文を送ってくれたので、そのまま紹介します。
先生達は、算数を教えていて楽しいですか?
僕は、今は、楽しいです。
だけど、この本を読む前は、
毎時間授業をどうやって流そうか?
業者のテストや県や国の学力テストの得点が低い子たちを
みんなと同じように学べるようになるどうしようか?
やる気のない子たちをどうやって一斉授業に参加させようか?
どうやったら楽しく力のつく授業をつくることができるか?
そんなことばかり毎日考えていました。
いろいろ考えて少しずつ試してみても、そんなに現状は変わらない。
そもそも僕たちが教科書を使って子どもたちの教えている算数は、
高校受験、大学受験で、出題される算数・数学問題を解けるように
易しい問題からだんだん難しい問題を教えているだけに過ぎない
ということに気づかされます。
本当に算数を楽しむということはどういうことなのか?
そもそも算数・数学って何なの?
算数・数学の楽しさって何?
そういったことについてはっきりと自信を持って筆者は、述べ
ています。
具体的に算数の授業をどうつくっていくかということについては
書かれていません。しかし、現状の算数・数学教育をバッサリと
ぶった切る文章は読んでいて、面白いです。
僕が心に残っている部分が、3つあります。
初めは、ほんの一番初めにある
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの言葉の引用です。
「船を造りたかったら、人に木を集めてくるように促したり、作業や
任務を割り振ることをせず、果てしなく続く広大な海にあこがれる
事を教えよ。」
教師の僕たちがこれから心がけていくことはこういう事なのだと
思いました。各教科の細かい内容をどうにかしようとするのではなく、
その教科のすばらしさや価値、学ぶことの楽しさを感じられるように
働きかけたり、環境を整えたりすることなのではないかと思っていま
す。そして、それを語れたり、見せたりすることができるようになる
には、僕たち教師が、日々学び続けることが大切だとも思います。
次にP19の
「まず理解すべきことは、数学はアート(芸術)だということです。
この数学とはほかのアート(音楽や美術など)との違いは、社会
全体が数学をアートだと認めていないことにあります。誰もが、
詩人・画家・音楽家は、言葉やイメージや音の表現を通して芸術
作品をつくり出しているということを理解しています。」
ここを読んだ時、なぜ、数学は、様々な取り組みが認められず
学校の授業が、一斉授業だったり、教え込みだったりの一方通行
になりがちになってしまうのかということがよく分かりました。
日本では、算数・数学は、大学進学や就職試験のための手段で
しかないのだと気づきました。
三つ目は、
「改革の動きのなかでもっとも悲しい部分は、『算数・数学を面白く
する』と『子どもたちの生活に関連づける。』という二つの試みで
す。数学を面白くしようとする必要はないのです。なぜなら、すで
に十分すぎるぐらいに面白いのですから。そして、日常生活との
関連のなさこそがまさに数学の栄光なのです。だからこそ楽しいの
です。」
僕たちが、校内研修や、研究授業、研究協議でやっていたことは、
子どもたちが数学の楽しさを感じられるようにすることと逆のこと
をし続けていたということでした。
この本を通して、算数・数学を学ぶとはどういう事かという根本的
なことについて、教えてもらったり、考えさせられたりしました。
子どもたちが本当に算数を楽しいと感じられる授業をつくるための
羅針盤となるこの本をぜひ、読んでみてください。そして、今の学校
組織やカリキュラムの中で、本当に算数を楽しいと感じられる授業を
子どもたちとどうつくっていったらよいか一緒に話し合えたら最高です。
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