大学の授業は1コマ90分ありますが、学生の集中力の問題もあって、私はこの90分を3分割で構成することにしています。毎週金曜日の2限目の授業は中・高校の保健体育科の教員免許を目指す学生が対象です。
先週の授業の中で、福岡県の中学校保健体育科教師の下野六太先生の授業ビデオを資料として使いました。(これはラウンドフラットという会社から販売されているものです)
これこそ、百聞は一見に如かずということわざが当てはまるもので、公立の学校の体育の時間にここまでできるのかと驚くような実践なのです。この下野先生は専門種目はサッカーなのだそうですが、マット運動や水泳など一般的に中学生が苦手とするような種目で、体育が苦手で1年のときに、水泳のクロールが5メートルぐらいしか泳げなかった生徒が、3年で1000メートル泳げるようになったとか、マット運動が全くできなかった生徒が倒立前転ばかりか、空中前転までできるようになるという実践が紹介されています。
なぜそのような実践が可能かというと、一つはうまくできない理由をビデオ映像などによって生徒自身に確認させたり、できるようになった生徒がうまくいかない生徒に教えたりと「協力して学ぶ」ことができるからです。また、生徒自身が自分なりの「評価基準」をしっかり持てるようになるのも素晴らしい点です。自己評価ができるようになることが、中学生、高校生の最終目標だと思います。また、うまくできたら「みんなで喜ぶ」という「互いに讃えあう」場面も多くみられ、まさに「学びの原則」が実現されているからこそ、このような成果がもたらされたのだと思います。
(「学びの原則」については、「効果10倍の学びの技法」吉田新一郎・岩瀬直樹/PHP新書pp.99-100などを参照してください。)
学生と一緒にこのビデオを見ながら、あらためて「学びの原則」の重要性を確認することができました。この授業は100人の学生が受講しているのですが、ほぼ全員が30分間集中して見ていました。彼らも「学びの原則」の大切さに納得の様子でした。
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