2013年8月4日日曜日

「学びの原則」に追加項目

 これまで約10年間、「学びの原則」は9つの項目で紹介してきました。
(これは、欧米で90年代から2000年代前半にかけて明らかになっていた脳の機能の研究から導き出されたものです。日本では、当時はまだ(そして今も?)脳の機能の研究を教育に生かそうという発想がありませんでした。しかし、「いい先生」と言われる人たちが当たり前にしてきたことではあります。その意味では、きわめて常識的なことでもあります。)
 しかし、前回の書き込みと最近の私の読書から、新項目を追加します。

 それは、いかに楽しめているか、と言うことです。
 それも、最後に加えるのではなく、筆頭に掲げたいと思います。
 それほど大切なことだと思うからです。

 指標としての、この「楽しめているか?」はかなり重要な気がします。

 それが、仕事であろうと、職場であろうと、個別プロジェクトであろうと、そして子どもたちにとっては「クラス」だったり、「授業」だったりするわけですが。

 皆さんの場合は、楽しめていますか?

 いったいどうしたら楽しみが増えると思いますか?
 教師が楽しめていないのに、子どもたちが楽しめるはずはありませんから。

 皆さんの学校の先生たちが授業を楽しめている度合い(割合)は何割ぐらいだと思いますか? 子どもたちが楽しめている度合いは?
 これは、きわめて大切なバロメーターではないでしょうか?
 7割ぐらい以下だと、まずいと思います。
 子どもたちが、教師の授業にお付き合いしていることを意味しますから。

 これと、これも前から紹介している「ライティング・ワークショップ(WW)が成功する要因」を比較してみるとおもしろいと思います。WWはとても楽しいので子どもたちが体育の授業と同じレベルで好きになります。その授業を教師が行事等でやらないと、「なぜ、やってくれないの?」と多くの子どもたちが聞いてくるぐらいに。

 なぜ楽しいか?
 本物の作家と同じことがやれるからです。
 いっぱしの作家として教師に接してもらえるからです。
 子どもや生徒としてではなく。
 関係のもち方は、きわめて大切です。

 また、自立した学び手になれるからです。
 いつも教師のいうことを聞いてさせられるのではなく。
 それは、「作家のサイクル」を年間を通して回し続けることで可能になります。

 そして、どんどん書くことが好きになり、かつうまくなっていきます。
 書きたいことを書くので、(たいがいの場合、教師以外の)誰か/読者に伝えたいことを書くので、うまくなります。



★ ちなみに、「おもしろい」と「楽しい」はまったく別物です。
  後者は、我を忘れて(時間も忘れて)熱中する、ということです。
  ミハイル・チクセントミハイの「フロー」の状態です。
  しかも、あとの残る可能性大のもの。
  それに対して、前者はその場限りのもの。

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