今週で大学の授業が終了しました。
金曜日の最後の授業に、特別講師として私の友人の小学校副校長のS先生を招きました。
彼は、以前は中学校で社会科を教えていたのですが、5年前から小学校で教えています。
私の授業を受けている学生の大半は小学校教員を目指しているので、小学校での授業の話も有益だろうと考えて彼を招いたわけです。
内容は、一方通行の講義ではなくて、4年生の社会科の地域教材を題材とした「劇」を発表するものでした。栃木県のある地区の、江戸時代に作られた用水がテーマとなっているものですが、シナリオは講師が作成してきました。学生たちは、3グループ、およそ20人程度に分かれて、まず配役を決め、台本の本読みを行い、リハーサルをそれぞれのグループがやりました。当然、司会役が必要なのですが、それも各グループで決めてもらいました。
およそ30分間の準備時間を経て、グループごとに発表を行いました。
台本はありますが、細かいセリフの言い回しは自由に変えてよいということにしましたので、多少グループによって違いが生まれました。学生の表情を観察していると、ふだんの授業のときよりも生き生きしており、この学生がこんなこともできるのだという新たな発見もありました。「やらされている」のではなく、「自分がやりたい」と思えるものを学習するとき、人は本当に集中できるものです。
以前、授業のなかで「パフォーマンス課題」という話をしましたが、まさにこの授業ではそれぞれの学生がよいパフォーマンスを見せてくれました。自分で体験してみると、「なるほどこのような課題を子どもたちに与えて、学習活動をさせれば、子どもたちは生き生きと学ぶことができるのだ」ということを肌で実感することができたようです。
多くの学生が嬉々として課題に取り組み、あっという間に90分の授業が終了しました。この経験は学生にとって、将来、自分が教師になったときに必ず役立つものになったと思います。
S先生も機会があればまたやってみたいということでしたので、来年またお願いしようと思いました。
楽しく学べることは、とても大切だと思います。
返信削除私が紹介してきた「学びの原則」の中に
「楽しく学ぶ」は含めていませんでしたが、
いまなら絶対にいれます。
それも、一番上に。
それで、学生たちは何を学んだのでしょうか、
ぜひ教えてください。
台本は講師が作成したものを渡しましたが、内容は読みの練習をしたりする過程で、自由に変えてよいという指示をこちらでしました。そこで、学生たちは練習の過程で、「よりわかりやすく」「より楽しく」という観点で、グループごとに書き換えていました。
削除自分たちが学習内容に関与できる、「選べる」ということが学習過程にはとても大切なことを自身の体験として学生は学んだようです。
(振り返りシートの記述などから)