2013年8月11日日曜日

「研修」と「研究」が機能していない!

 学校(や教育委員会や文科省/教員研修センター)で行われている「研修」や「研究」がまったく機能していない、ということを発見してしまったので、書いた本が『「学び」で組織は成長する』(光文社新書)と『効果10倍の<学び>の技法 ~ シンプルな方法で学校は変わる!』(PHP新書)でした。

 80年代後半から90年代の前半にいろいろなレベルで行われている教員研修にかかわって、機能していないことに気づかされてしまいました。そして90年代後半から2000年代前半にかけて、機能している方法を探し続けました。もし、日本で行われている教員研修が機能していたら、わざわざ10年もの長い間探し続ける必要も、本を書く必要もありませんでした。

 機能していないものを、これだけ続ける理由はいったい何なのでしょうか?

 そもそも機能していないという意識がないからでしょうか?

 ほとんど(95%以上)の人にとっては、「やらされ感」しかありません。
 役立ったと言った少数の人も、実践に移す人は10人に一人もいればいい方です。実践までのハードルは結構高いだけでなく、必要なサポートが提供されることはありませんから。(いい実践を定着できる人は、さらに少なくなります。)

 その結果、いくらやっても授業がよくなることにつながるケースは100本に一つあるかないかの状況が続いています。

 基本的には、研修=授業ですから、研修が機能していないということは、授業が機能していないという致命的な状況にあることも意味します。

 さらには、授業=研修=組織ですから。授業や研修が機能していないということは、組織自体が学ぶ組織になっていないことを表わしています。また、会議も上の3つと同じに扱えますから、日々行っている会議を見てしまうと、授業や研修や組織でしていることも見えてしまいます。(なんと、あるアメリカの教育委員会では、ビデオに撮って公開できるような会議しかやるな、と言っているところもあるぐらいです。)

 ぜひ習慣(=悪習)に流されず、勇気を持って、研修と研究のやり方を変えてください!
 より効果的な方法は多様にあり、その中から選択すればいいのですから。
 そこからしか、学校は変わっていきません。
 要するには、学校にかかわる大人の学び方を変えるということからしか。

 どうせやるなら、単なる習慣(=悪習)をなぞるだけでなく、成功体験をしてほしいです。
 はるかに楽しい方法を試すことで、変わってほしいです。
 自分たちが楽しく学び、しかも使えた体験は、かならず子どもたちに伝播していきますから。
 (逆に、自分たちが意味があると思えないものや身につかないものは、授業で子どもたちを対象に同じことをする練習をしているようなものです!!)

 やっているフリをみんなでし続けるのは、あまりにも時間とエネルギーの無駄が多すぎます。(その結果が、子どもたちに還元されないのですから。)

 踏ん切りのつかない方は、黒澤明監督の映画「生きる」をぜひ観てください。

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