前回の吉田さんの記事を読んで、確かにその通りだなと思いました。
管理職と一般教員の間の壁。
近年、ますますこの壁を高くするような施策が行われてきました。主幹教諭や指導教諭という職種を増やして、それまで鍋蓋と言われてきた学校組織がかなり変わりつつあります。組織としての側面を強調するあまり、管理が前面に出すぎては、下の者はやる気をなくします。そこを埋めていくのが、本来コミュニケーションなのでしょうが、みんな忙しすぎて、他の人のことなど構っていられないということなのでしょうか。
今、大学で4年生のセミナークラスを担当しています。学生にはどんな就職先であろうとこれからはコミュニケーション力が最も求められることなので、セミナーの時間には今さらという気もしますが、コミュニケーション力の強化に力を入れているところです。
実際、教師になると最も大切な力がこのコミュニケーション力でしょう。子どもたち、保護者、同僚教師との関係づくりこそ、教師という仕事を成立させるために必要な最大の力だと思います。これは私見ですが、コミュニケーション力の高い人はバランス感覚にも優れていると思います。何でもそうですが、どんなに優れたやり方でも、それだけで突っ走ると落とし穴に嵌ることがあります。そんなときに必要なのがバランス感覚です。
ところで、最近ある会合で気になることを聞きました。それは、政権が交代して、文教政策もかなり転換するという話でした。特に、教員養成の段階では、これまでの「資質向上」から「教師としての使命感」が最優先されるという点です。
これを聞いて、この国の教育施策はまた十年逆戻りすることになりそうだと感じました。「使命感」は大学の養成課程で教えられるものなのかどうか、むしろ現場に出て、やりがいを感じる中で、使命感が高まるのではないか、そんな風にも思えます。
新たな施策立案の中心にいる教育再生実行会議のメンバーには、教育現場とのコミュニケーションを十分に図ってもらい、現場のやる気が高まるような施策を進めてもらいたいものだと思います。
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