1 前年度の学校評価について
前年度の学校評価の結果を「評価書」に基づいて、説明します。
まず、「教育全体の状況」ですが、「学校は活気があり、明るくいきいきした雰囲気である」という問いに対して、82%の生徒が肯定的回答を寄せており、前年に比較して12ポイント上昇しているとの結果になりました。
これは学級・学年・学校が一体となる学校行事などを中心とする取組が多くの生徒に対して感動体験の機会を提供しているものと思います。また、教師の熱心な指導や秩序ある学校生活についても、前年に比較して肯定的な回答が増え、取組の成果が上がっている様子がうかがえます。
ただ、授業については、わかりやすさという点で、否定的な回答を寄せた生徒が20%いるという事実を看過してはならないと思います。この点に関しては、のちほどまたふれたいと思います。
このことと関連して、5ページの「生徒は授業に対して積極的に取り組んでいる」という質問に対しては、教職員の肯定的回答が57%と、最も低い数値がここで出てきたことにやはり注目しなければならないと思います。「生徒が意欲的でない」というのは裏返せば、「興味関心の持てる授業ではない」という事実を暗に示しているのではないかと思うからです。
「学ばないのは生徒がわるい」「せっかく教えてやったのに忘れてしまったのは生徒の責任」ではプロの教師としては失格です。
「生徒が意欲の持てる授業」を作ること、このことがわれわれ教師の最大の職務ではないかと考えます。ただ、教科書に記載されていることがらを細大漏らさず取り上げることが教師の職務ではなく、いかに教科書も含めた資料をうまく使いながら、学習指導要領に示された学習内容を子供たちに定着させていくか、ここに大きなポイントがあります。この授業改善の取組は何にも優先させるべき重要事項であると考えます。
また、教職員の資質向上への取組は保護者へは十分に理解されておらず、この点のPRも今後忘れてはならない点であると考えます。
次に4ページ目の「健康・体力」でありますが、食育や健康・安全な生活への指導という点ではまだ不十分であると思われますので、保健体育の授業や学級活動等の時間を活用して、食生活を大切にし、自分の健康・成長に目配りできるような指導を充実させたいと思います。
評価項目全体を通して、おおむね良好に教育活動が進められている状況が見られますが、いくつかの点について今年度は改善を図りたいと考えております。
今年度の学校経営の方針、重点目標については前年度の評価から「拡充」の方向が示されましたので、同じ内容とし、具体的な取組で一部内容の修正・変更を行いました。
重点目標の中の、「学校運営」においては、「いきいきと主体的に取り組む生徒の育成」を昨年度に引き続き目標としました。この文言のなかで、特に「主体的に」がポイントです。そのための具体策は後ほど説明いたします。これは学習指導、生徒指導どちらにも関係するキーワードです。
1ページ下の具体的取組では、「学校行事を通した感動体験」をさらに前年度にも増して重視し、感性豊かな生徒の育成に努めたいと思います。
次に重点の取組でありますが、「会議の効率化を図った」という文言を新たに追加しました。「無駄な時間はなくす」という視点で、会議の効率的な運営に配慮しています。朝の打ち合わせ、職員会議資料もすべて、個人に貸与されているパソコンを利用し、むだを省く取組を継続中です。
職員会議も1時間以内に終了するように事前の校務運営委員会での内容検討が大切になってきます。ある問題に対する解決策を職員会議の場で、全員で協議するから時間が長引きます。解決策は担当者レベルで考え、それに対する意見をもらうことが重要だと思います。係提案が不十分であれば、再度係が検討し、プランを再提出すればよいことになります。
次に、「学校の公開や情報の積極的な発信・提供が行われ、地域の学校づくりが進められている」という項目の学校公開については、PR活動を強化したいと考え、PRパンフレットを地区市民センターで配布したり、ホームページ活用を推進したりしているところです。
「学校全体で教職員一人ひとりの指導力向上に努めているか」という項目では「専門職」という文言を加えました。
昨年の反省にもありましたが、授業改善は今年度の課題の一つであります。今月実施した職員との面談の中でも、「生徒指導上の大きな問題がないので、それに甘えている部分がある」「生徒の力を十分に引き出せていない」などの問題点が浮かび上がってきました。
この問題点を克服していくためには、「専門職」として自分を厳しく律する部分が大切であると思いますし、職員は単なる「仲良しクラブ」であってはいけないと考えます。
提出物の期限を守れない、時間を守れない、そのような教師が生徒に様々な要求をしてみても、それは人としておかしな話であると私は捉えています。
「あたたかいけれども、厳しい」このような職場が私の理想とする職場であります。「あたたかさ」だけでは、それはいつしか「ぬるま湯」になります。すべて馴れ合いの世界で、下手をすると、まじめにやる人間が馬鹿を見ることにもなりかねません。
逆に厳しさだけでも、冷え冷えとした職場になってしまいます。お互いに自分の領域だけをしっかりと守り、余計なことは一切やらないという雰囲気になります。それがさらに進めば、「ぎすぎすした」心の落ち着かない、何とも寒々とした職場になってしまいます。
「あたたかさの中の厳しさ」これによって、本当にその職場の構成員が「互いに生き生き」と仕事のできる職場になるものと思います。
そのためには、ある程度のマナーの共有が必要です。よく会議の場で異論や反論があってもその場では意見を言わず、後で批判的なことを陰で言って、それが当人の耳に入り、不信感を招くというようなことがあります。やはり本人に直接言う、そんな当たり前のマナーが大切です。
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