サブタイトルは、「好奇心を取り戻せ!」の方が当たっているかもしれません。
訳者の兵庫教育大学大学院の池田匡史先生が、紹介文を書いてくれました。
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「学校での勉強=嫌なこと、苦しいこと」…
このように、「勉強」や「学習」に対してネガティブなイメージを持っている児童・生徒は少なくないのではないでしょうか。そして子どもたちにそのような思いを抱かせてしまっているのは、私たち大人なのではないでしょうか。
しかし、新しいことを知る・学ぶのは、そもそも楽しいことであるはずです。本書では、学ぶことを楽しめる児童・生徒を育てるために、人間が本質的に持っているはずの「好奇心」を活用することに着目しています。いわば好奇心のおもむくまま、さまざまなことにチャレンジする「おさるのジョージ」のような学習姿勢を、教室で再現しようということです。
では、どのようにすれば「好奇心に満ちた教室」を実現できるのでしょうか。この問いに答えるには、「どのような学習の文脈をつくり、どのような活動を展開すればよいのか」、「どのような点に留意したカリキュラムを組めばよいのか」、「どのような教室環境を設計すればよいのか」など、さまざまな点を考えなければなりません。それが、この本ではしっかり押さえられています。また、本書ではそれらについて考えるためのヒントとなる「好奇心を活用するための33の方法」が、脳科学や心理学の研究成果を踏まえた上で提案されています。たとえば、その中の一つに「縛られない時間を確保する」というものがあります。ある研究では、学習者が急かされることなくリラックスしているときにこそ、好奇心が解放されて創造性が発揮され、学びが最も進展するという結果が出ているのです。
学習指導要領にも謳われているように、現代はとりわけ探究的な活動が求められています。にもかかわらず実際の教育現場ではそれが十分に実現できていないのが実情です。本書はきっと、「子どもたちがワクワクする授業をしたい」と願う先生方に、たくさんの刺激とヒントを与えてくれるでしょう。そして、先生自身が持っている「好奇心」にも向き合うことになるはずです。
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好奇心は、学びの「核」だと思いますが、日本の学校教育ではどういうわけか軽視(ないし無視)され続けています。その結果、興味がもてないし、身につかない状態が続いています。その状況を打ち破るヒントが満載の本です。
いくつか、著者の言葉を紹介します(数字は、ページ数です)。
4 好奇心は、学習者に知識をもたらす原動力です。好奇心をもつことは、物事によく気づくためにオープンであること、物事を確かめてみること、試してみること、自分の周り交流することにつながります。 ~ 好奇心を喚起しないと、これらが行われないことを意味します!!
17 好奇心に満ちた教室は、生徒に本物で、差し迫った、臨場感にあふれるような体験と可能性、そして自分たちの空間だという感覚(オウナーシップ)を提供することになります。本書は、生徒が好奇心を表現できるようになるために、教師が生徒の好奇心を引き出し、持続させ、好奇心でいっぱいの教室をつくれるようになることを目的として書かれました。
22 ・生徒と教師の好奇心を組み合わせることによって、好奇心に満ちた教室をつくることができる。
・好奇心に満ちた教室をつくることによって、教育と学習の伝統的な見方を変えることができる。
23 好奇心旺盛な子ども(つまり、すべての子ども)は、危険を冒し、知的に遊び、何かを試し、生産的な間違いを犯すことで深く学ぶのです。
あらゆる教室を好奇心のあふれた場所に変える方法は、ほんのわずかな修正を加えることです。まず、教師が自分自身に対する見方を、単なる教師という存在(要するに、教える役割=教科書をカバーする役割)から、自らも好奇心をもち、学習者と共に学習を促進する権利ともっている存在に変えることです。
以上はすべて、本の「はじめに」から抜粋しました。興味をもたれた方は、中身の詰まった第1章以降を、ぜひ読んでください。
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