難しくいうと、自己決定理論(self-determination theory)というか、「内発的動機づけ」ということになりますが、わかりやすくいうと、上の3つです。
人は、自立的な環境の方が、コントロールされている環境よりも、はるかに成長できます。(別な言葉で言い換えると、「人が責任をもって行動するための要因は何か?」です。)
前者の「自立的な環境」には、
・ほんとうの自分
・自由
・興味をもって没頭
・偽りのない自分
・自らが行為の主体(エイジェンシーをもっている)
などが考えられます。
それに対して、後者の「コントロールされている環境」としては、
・圧力をかけられて行動
・従属した中での行動
・自己を見失っている状態
・思考停止に陥っている状態
などです。この環境ないし状態では、服従するか反抗するかの選択肢しか考えられません(多くの場合は、反抗するだけの情報や元気や仲間はいませんから、服従や忖度が意識的か意識的でないかに関係なく選ばれます。そうです「選んで」いるのです!!)。
あなたは、どちらの環境/状態にいることが多いですか?
どちらの状態にいたいですか?
教師が(そして、生徒たちも!)自分のおかれている環境/状態をどう捉えているかは、決定的に重要です!
残念なことに自立的な環境はどんどん失われ、コントロールされている環境が強化されつつあるのが、過去数十年の教育および学校の動きかもしれません。(本来は、逆でないといけないのに! なぜ、こんなことが起こってしまうのでしょうか?)
1.人には自立(選択)の欲求がある
赤ちゃんですらありますから、学校に来る子どもたちはもちろんのこと、教師がないわけがありません。
何をどう教えるのか(生徒たちには、何をどう学ぶのか)の選択を提供することは、とても大事だということです。決まりきった教材を使って、いつもの一斉授業ばかりでは、教師にとっても、生徒たちにとっても「コントロールされている環境」以外の何ものでもありません。
ポジション的に上の立場の者は、下の人に、質問の形で言いたいことが言えるようにする必要があります。「自立的な環境」を一緒につくり出すために!
2.自己効力感(「自分はできる」という感覚の大切さ
そのためには、できないことの指摘や批判は、ほとんど役に立ちません。少なくとも、できていることやできそうなことを指摘して、さらによくなるためのフィードバックにこそ、焦点を絞るべきです。
ここでは、「大切な友だち」がもっとも参考になります。
https://projectbetterschool.blogspot.com/2012/08/blog-post_19.html
3.関係性の欲求(他者とつながっていたいという願い)
個人レベルで知り合うことの大切さです。それこそが、ほんとうの自分の条件ですから。(これが実現しないと、仮面を被りつづける自分の方が安全という選択をさせてしまいます!)
自立性(自由な意思と自己選択の感覚をもって、自由に行動すること)と、この関係性は矛盾しません。むしろ、ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップのクラスや『だれもが科学者になれる!』で見られるように、相乗効果を上げます。
以上の3点について詳しく、わかりやすく書かれているのがエドワード・デシの『ヒトを育てる力』(新曜社)ですので、興味のある方は参照してください。
また、これら3つを柱にしている教育実践があります。それは、ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップです。http://wwletter.blogspot.com/2010/05/ww.html
やhttps://sites.google.com/site/writingworkshopjp/teachers/osusume
現在、これらの算数・数学、社会、理科への応用プロジェクトが展開していますが、他教科でも効果があることが証明されています。それほど、自立、自己効力感、関係性は大切だということです!
0 件のコメント:
コメントを投稿