2018年4月22日日曜日

学び方は多様 → なら、教え方を多様にしないと!



 子どもたちの学び方は多様です。

   聞いたり、見たりするだけで、学べる子。
   読むことで学べること子。
   話し合って学べる子。
   一人でじっくり考えることで学べる子。
   感じることで学べる子。
   体験しないと学べない子。
   自分が教えることで学べる子。★

これだけ(これ以上の?)多様な学び方をする子どもたちが目の前にいますから、一つや二つの教え方で、すべての子どもたちがよく学べるようにはなりません。

多様な学び方に対応するための、多様な教え方を提供している本は、
『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』
『「学びの責任」は誰にあるのか』
『「考える力」はこうしてつける・増補版』
『マルチ能力が育む子どもの生きる力』
などです。ぜひ、参考にしてください。

そして、今回焦点を当てるのは、ライティング・ワークショップ(WW)とリーディング・ワークショップ(RW)で使われている教え方です。

1時間の授業の中で、①ミニ・レッスン、②カンファランス、③共有の時間という3つの教え方を毎回しています。
教師が一方的に教える通常の一斉授業と似ているミニ・レッスンでは、よく学べない子たちも、②や③があとにあるので、救われる余地が多分にあるわけです。
さらには、教師は毎回、全員に対してカンファランスはできませんから、子どもたち同士の教え合い/学び合いが、ピア・カンファランス/ブッククラブ/作家クラブ/編集会議等の形で頻繁に行われます。(教える人が、教師だけでない、というのが何よりもいいです! この良さは、③の共有の時間でも同じです。)
そして、共有の時間の教える人は、教師ではなく、生徒ですから。この時間の方法については2月13日の「WWRW便り」で紹介したばかりなので、参照してください。

このように、教師が一人で頑張り続ける一斉授業よりも、少なくとも3種類の教え方をしているのが、子どもたちがよく学べる理由です。それを、表にまとめると、以下のようになります(出典は、『効果10倍の教える技術』の58ページ)。


①ミニ・レッスンは「伝統的な教師」、②カンファランスは「コーチ」、③共有の時間は「ファシリテーター」の役割に相当しています。

また、通常の授業よりも、はるかに生徒一人ひとりが主役になれる時間が長いというのも、子どもたちがWWRWが好きな理由であり、かつ書く力や読む力をグングンつける理由です。★★
そして、教師とのカンファランスの時間も、主役は間違いなく子どもたちです。教師が主役のカンファランスは、時間の無駄であり、弊害の方が、得るものよりも多いと言えるでしょう。(そもそも、そんな時間を子どもたちは楽しめるはずがありません。)
 さらに、①ミニ・レッスン、②カンファランス、③共有の時間がみごとに連動しています。バラバラではなく、相互に補完し合う関係になっているのです!


★ 出典は、『効果10倍の教える技術』の22~78ページです。

★★ このWWRW(=作家の時間や読書家の時間)での教え方を、いま算数、社会、理科等に「数学者の時間」「市民/歴史家の時間」「科学者の時間」という形で応用して実践していますが、子どもたちは、これらの時間もとても好きになりますし、力をつけます。子どもたちは、〇〇博士になるのが好きですが、この教え方はそれを可能にする教え方だからです。

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