ある意味で、先週の続きとも言えます。
あと2か月ほどで学年末です。ということは、成績の時期であり、その後は1年の振り返りと新しい年度に向けての準備ということになります。(それにしても、自分が受け持つ学年が分かってから、数日で実際に授業が始まってしまうというのは、どこかおかしいと思いませんか?★)
でも、「振り返り」は最後だけでするものではありません。(それでは、残念ながら学びと成長の糧にはなりませんから。総括的評価の悲劇は、成績は出してくれますが、それを踏まえた学びや成長の時間と機会をまったく提供していないことです。したがって、ほとんどそれを付けるサイドに過剰な負担を強いるだけで、何もいいことはないと言えます!)
できるだけ頻繁に振り返りをすることこそが、学びと成長の鍵です。
◆保護者にも参加してもらう振り返り
それは、最初の日からできます。
子どもたちや保護者たちに、教師に知っておいてもらいたいことを手紙の形で書いてもらうのです。
これは、振り返られないと(同時に、ある程度は、未来も見据えないと)書けません。
そして、それが年間を通してのバロメーター的な存在にもなります。
成績(通知表)のやり取りをする代わりに(ないし、それに加えて?)、この手紙のやり取りをした方が、誰にとってもいいぐらいだと思います。通知表ではコミュニケーションが成立しませんから! そうなると、年に最低でも3回のやり取りが確保できます。(もちろん、書きにくいことがある場合は、電話や実際に会って話し合うことが選択できるようにするのがいいでしょう。)
手紙の代わりに、アンケートに答えてもらってもいいかもしれません。次のような質問に応えてもらう形で:
・
お子さんにとって過去一年間(今学期)で一番よかったことは何ですか?
・
お子さんが一番成長した点はどんなことですか?
・
逆に、成長を期待していたのに、期待はずれだった点は?
・
学校と家庭とのコミュニケーションに関してはどのような感想・印象をもっていますか?
・
読み(書き、算数・数学、理科、社会科・・・・)ではどんな成長が見られましたか?
・
何でも私に伝えたいこと/知らせたいことがありましたら、お願いします。
◆生徒たちとの振り返り
常に振り返ることで、よりよい決断や選択ができるようになることを、ことある毎に教えます。
自分のした授業に対する振り返り=評価もしてもらいます。(そうすることで、次に同じようなことをする際のヒントが得られますから。もちろん、子どもたちへのメリットは、自分が何をどう学んだのか、期待していたのに学べなかったのは何か、今回の授業をきっかけに今後学びたいのは何かなどを考えることができます!)★★
でも、やはり学年の最後はとても大切です。
読み手として(書き手として、数学者として、科学者として、市民/生活者として・・・・)自分はどう成長したか?(これを説得力もって示せるためには、1年間を振り返る必要があります。いま、それを可能にする教え方をしていますか??) そして、来年度はどんな読み手(書き手、数学者、科学者、市民/生活者・・・・)を目指したいか? この質問は、ユニット★★や学期毎にも可能だと思います!
そして、保護者と同じようにアンケートは、生徒にとっても教師にとっても、とてもパワフルです:
・
1年間(今学期)でよかったことと悪かったことをあげてください。
・
自分の好きな教科は? その理由は?
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嫌いな教科は? その理由は?
・
自分が成長したのはどんな点ですか?
・
まだ成長したい/成長しなければいけないと思っているのは?
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読み(書き、算数・数学、理科、社会科・・・・)の授業で変えられるとしたら、何を変えてほしいですか?
・
逆に、変えてほしくないのは?
・
何でも私に伝えたいこと/知らせたいことがあったら、書いてください。
このような質問を生徒や保護者にするということは、自分を不安にさせる部分はありますが、実践を改善していくにはベストの方法です。個々の生徒や保護者にフィードバックをしてもらうことこそが、いい関係を築くことにも、そして互いの学びを最大限にしていくのにも最も効果的な方法です。
★ 準備期間を設けていません。(その意味では、夏休み前に学年が終わって、秋に新学期が始まるというのは、準備期間をたっぷり設けたスケジュールと言えます。)同じレベルでおかしいことの一つに、その年度の行事等のスケジュールがすべて前年度中に決まっていることです。これらのプラス面とマイナス面をじっくり考えた人はいるのでしょうか?
★★ これを教科書単元毎にするというのは難しいです。教師にとっても、子どもたちにとっても「自分のもの」と思えにくいので。つまり、単にカバーしているだけなので。その意味で主体的かつ必然性をもたせるためには、カリキュラム(何をどう学ぶのか)やユニットを自分たちでつくり出す必要があります。そうでないと、修正・改善したいとも思えません。このプロセスには、子どもたちにも参加してもらえます。というか、何をどう学ぶかの判断や選択に参加してもらわないと、学びの質と量はなかなか向上しません(結果的に、学力も)。教師(ないし教科書)へのお付き合いレベルの勉強が続くだけです。
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