先月、次のようなニュースが話題になりました。日本経済新聞のWeb版から引用します。
『DeNA、まとめサイト問題で第三者委設置 「MERY」も非公開化へ』
2016/12/5 18:55
「ディー・エヌ・エー-は5日、インターネット上の情報をまとめた「キュレーションサイト」事業に対し、外部専門家で構成される第三者調査委員会を設置して調査すると発表した。キュレーションサイトは根拠が不確かな記事の掲載などの問題が指摘されており、同社は既に9つのサイトの公開を停止していた。」
ネット上の情報をまとめた「キュレーションサイト」の記事の中に根拠が不確かなものの掲載が行われていたという問題です。特に、医療情報などについて,ウソの内容を含む記事を大量にWeb上に提示したことが問題視されています。医療情報は場合によっては命にかかわることですから、単にウソの記事を載せたというだけでは済まなくなるものです。
この「キュレーションサイト」というのは、他のサイトや書籍から情報を集めてきて、それをわかりやすくまとめたサイトです。そうした「まとめの情報」を掲載することで、サイトにアクセスする数を増やして、広告収入を稼ぐのが目的のようです。
そうは言っても、なかなかこれは難しいことです。
私自身も最近になって、初めて気づいたことがありました。
それは、「地方再生」に関連して語られることの多い「コンパクトシティ」という文言です。
これまで、この言葉については、さして気に留めていませんでした。ところが、最近私の住む市が「立地適正化計画」の素案を公表し、パブリックコメントを募集するということを知って、初めてこの言葉の意味を調べてみました。その意味を青森市のホームページに掲載されていた説明文から引用しましょう。
「住まい、職場、学校、病院、遊び場などさまざまな「機能」を、都市の中心部にコンパクトに集めることで、自動車に頼らず、歩いて生活することのできるまちのことです。」
この考え方に基づいて青森市が行った取組の一つが中心市街地の活性化でした。
そのため、青森市は総事業費約185億円をかけて複合商業施設「アウガ」を建設し、2001年1月開業させました。地下1階が「新鮮市場」、1階から4階までが商業施設、5階から6階が「青森市男女共同参画プラザ」、6階から9階が「青森市民図書館」となっています。当初この複合商業施設には、年間600万もの人が訪れ、青森市の取り組みは、成功事例として取り上げられました。
しかし、その後経営は悪化し、運営会社が危機的な状況に陥ると、青森市が債務を買い取ったことで市民が反発し、コンパクトシティを推し進めた市長が退任しました。2015年度決算において大幅な債務超過となり事実上の経営破たん状態に陥ったことが判明し、経営問題が深刻化しています。
実は、同様の事例は秋田市でも起きています。このコンパクトシティ構想は国土交通省が旗振り役となっていますが、発案は総務省あたりでしょう。「地方再生」と言いつつ、不必要なものは切り捨てて、鉄道の駅周辺に人口を集中させ、インフラ整備なども効率よく行い、人口減少社会を何とか乗り切ろうという計画のようです。人口の集中するところとそうでないところを峻別するプランです。そうなると、里山の自然など守れるはずがありません。自然の多様性の象徴でもある里山がなくなったら、人は生きていけるのでしょうか。
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