2016年8月14日日曜日

自分のメンター・チームをつくる


企業やNPOには、その組織を運営する責任母体として取締役会/理事会が存在します。最近は、組織内だけでは統治能力が弱まっている(と同時に客観性をもたせるために)ということで、社外取締役や理事を置くところが増えています。
そういえば、学校も「学校運営協議会」を設けているところが少なくありませんが、その人選は戦略的とは言い難いのが現状です。単に地域住民の代表的な人たちが名を連ねているだけで、そこから、何か面白いことや新しいことが生まれてくる感じは残念ながらありません。(結果的に、かかわる人たちの時間を無駄にしているだけ?)

今回の提案は、それを個人のレベルで考えてみては、というものです。

教師として(あるいは教務主任として、教頭として、校長として、指導主事として、教育委員長として)、さらに自分を伸ばすために必要な人材をピックアップして、自分の理事会(=メンター・チーム)のメンバーになってもらうのです。

1.誰にメンバーになってもらうか?
 人選をするためには、まずは自分のことを知ることが第一段階です。つまり、何は強みで、何は弱みかを。(あるいは、自分が何はすでに満足しているのか、何はもっと伸ばしたいと思っているのか、そして何はほとんど未着手の分野なのか、などを明らかにします。)その上で、強みやもっと伸ばしたいところはさらに伸ばしてくれる人、弱みや未着手の領域はうまく補ってくれる人を人選するのが第二段階です。
 ここでのポイントは、課題ばかりに焦点を当てないことです。より自分が輝けるのは得意分野ですから、両方を大切にしてください。
 また、自分が何を目指すかが明確になれば、人を見る目も徐々に磨けるようになります。(逆に言えば、自分の目的がないと、人を見る目もそのレベルでしか見えないことを意味します。)

2.メンバーの役割?
 会社でも、学校でもなく、あくまでも個人の理事会=メンター(よき先輩たち)ですから、個人的に依頼し、こちらからいろいろと教えを請う関係が築ければ、それでOKです。直接会って、メールで、電話(スカイプ)で等、媒体はいろいろ考えられます。身近にいる人もいいですが、より違った角度からのアドバイス等が得られるのは遠くにいる人かもしれません。授業を見せてもらったり、見てもらってアドバイスをしてもらったり、あるいは相談に乗ってもらったり、と内容も多様です。1で明らかにした目的を達成するための手段としてメンターたちの知識や能力をフルに活用させてもらうのです。人は、質問されたり、助けを求められたら、それに応えるのが大好きですから、躊躇することなく、積極的にアプローチしてください。

3.ミーティング?
 全員が一同に会する必要はありません。あくまでも、目的はあなたの目的を達成することですから。メンバーの人選も、相互の関係を考慮して選んだわけではなく、あくまでもあなたが必要な個々の領域を伸ばすために選んだ人たちなので、互いに顔見知りになる必然性はありません。
 しかし、定期的に振り返って、個人のレポート(ごく簡単なもの)を送るといいでしょう。何は進歩しているのか、何は停滞しているのか、どんな課題があるのか、どんな点で特に助けがほしいのかなどをまとめる形で。それに応じて、積極的なサポートを申し出てくれる人もいるかもしれません。(よりいい方法は、小まめに連絡を取り合うことです。通知表的なのが学期末に送られてきたところで、あまり使い道がないのは皆さんも体験上よく理解されていると思います。)
 もちろん、メンター同士が会うことに価値を見出せれば、それはとても大切なことなので、大いに機会をつくるべきです。

4.メンバーの数?
 メンター制度は、元々は一対一です。両者の馬がピッタリ合えば、それでもいいのですが、なかなかそういうケースは多くありません。(一人のメンターがすべてを提供することも難しいですから。)そこで、このメンターのチーム制を提案しているのです。最初は2~3人がいいのではないでしょうか?(ある意味で、メンターたちに競争させるのも真剣に取り組んでくれる要素になるかもしれませんし、2~3人の中でいい関係というか、3つの目的のうちの一つがほぼ達成されるような結果を数か月~一年後に出せれば、花丸と思って取り組むのがいいでしょう。そのぐらいの気分で取り組んだ方が自分にとってはもちろん、相手にとっても楽でいいです。)
 自分が慣れてきたら、メンターの数を徐々に増やしていってもいいかもしれません。

ほとんど機能していない校内研修や教育委員会研修よりも、この方がはるかに確実な成果を上げられること請け合いです。★ぜひ、チャレンジしてみてください。


★ その一つの理由は、http://projectbetterschool.blogspot.jp/2016/07/blog-post_10.htmlで紹介した10項目のほとんどを満たしているからです。




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