2016年1月17日日曜日

『スティーブ・ジョブズ』上・下2巻

前回紹介した「教師にオススメの教育書以外の本」6冊のうち、3冊はすでに読んでおり、1冊は日本語ではまだ入手できないので、2冊を借りてきて読みました。でも、ウォルト・ホイットマンの『草の葉』は読めなかったので、唯一読めたウォルター・アイザックソン著の『スティーブ・ジョブズ』の教育と関係する部分を中心に紹介します。(個人的には、上巻の方からも結構メモを取りましたが、下巻中心です。数字はページ数。青字=~以降は、吉田のコメント

JobsAppleへの復活
65 「アップルには優秀な人間がたくさんいるのに、彼らは皆、間違ったことをしている。計画が間違っているからだ。優れた戦略があればそこに参加したいと思う人はたくさんいるというのに、そういう戦略がいままでひとつもなかったんだ」 ~ いまの学校に計画や戦略はあるかな??

86 ジョブスの得意技に“集中”がある。
 「なにをしないのか決めるのは、なにをするのか決めるのと同じくらい大事だ。会社についてもそうだし、製品についてもそうだ」

  パワーポイントが嫌い → 使用を禁止
  自分の仕事をちゃんとわかっている人はパワーポイントなんかいらない ~ 大いに賛成。 教師のプレゼンもパワポは使わないように!

90 アップルを救ったのは、彼の「絞り込む力」だった。 ~ 学校に欠けているのも、この「絞り込む力」!!
94  「洗練を突きつめると簡潔になる」
    「シンプルにする、つまり、背景にある問題を本当に理解し、エレガントなソリューションを考え出すというのは、とても大変な作業なんだ」
    製品の本質を深く理解しなければ、不可欠ではない部分を削ることはできません。
    デザインとは、表面的にどう見えるかだけの問題ではない。製品の本質を反映していなければならない。

99 会社がどこにエネルギーを集中しているのか、またどことどこがつながっているのかを把握するのです。そして、「あっちが伸びている状態でこっちをやる意味はあるのかい?」などと聞くわけです。彼はいろいろなものを関係性で把握するのですが、会社が大きくなるとそうするのはとても難しくなります。ここのテーブルにモデルを並べて一覧することで、スティーブは3年先の未来を見るのです。 ~ 同じ方法は学校にも役立つはず。しかし、教科でブツギリになっているので、それを最初から放棄している!

122~3 デザインとエンジニアリング(+その他の部門)の緊密なコラボレーション
 「僕らは統合された製品を開発するのだから、プロセスもコラボレーションで一体化する必要があるんだ」 ~ 言葉だけのレベルで存在する「指導と評価の一体化」 → 真に求められているのは「カリキュラムと指導(教える内容と教え方)と評価の一体化」 これが実現されない限りは、ジョブズが返り咲く前のアップルのようにアップアップが続くだけの日本の学校!

 「まぬけの増殖」が起こって会社に二流の人間があふれるのを防ぐために、他部門のトップも採用面接に参加。 ~ 人事は決定的に重要なのに、一番軽視されている?! 採用した後の能力開発もとても貧弱。教員研修のノウハウをまだ見出せていない日本!

 Aクラスだけの人間でチームを組んだ方が、BクラスやCクラスも含まれているよりはるかにいい。 ~ 学校を含めたあらゆる組織が抱える課題

271 リンゴの木の剪定をやりつづける。
    優先順位の高いもの、2つか3つに絞ることをジョブスは求める。

374 説明責任が大事なのではなく、結果責任こそが大事!! ~ モバイルミーでの失敗に際しての行動

404 ジョブスのラリー・ペイジ(グーグルの共同創設者)へのアドバイス: ~ 次の世代(競争相手?)に実践を踏まえてアドバイスできるものをもつことの大切さ! =この本のまとめでもある
     集中すること
     人の選び方
     誰を信用すべきかどうしたらわかるのか
     どうしたら頼れる側近のチームができるのか
     BクラスやCクラスのプレイヤーを紛れ込ませない方法
     ビジョンの大切さ → 多くて5つに集中

429 ディランも、ビートルズも、進化し、前に進んで、自分たちの芸術を少しずつ高めていった。僕もそうありたいと努力してきた。前に進み続けるんだ。そうでなければ、ディランが言うように「生きるのに忙しくなければ死ぬのに忙しくなってしまう」からね。

  僕がいろいろできるのは、同じ人類のメンバーがいろいろしてくれているからであり、すべて、先人の肩に乗せてもらっているからなんだ。そして、僕らの大半は、人類全体になにかをお返ししたい、人類全体の流れになにかを加えたいと思っているんだ。それはつまり、自分にやれる方法でなにかを表現するってことなんだ。(僕はボブ・ディランにはなれない。)僕らは自分が持つ才能を使って心の奥底にある感情を表現しようとするんだ。僕らの先人が遺してくれたあらゆる成果に対する感謝を表現しようとするんだ。その流れになにかを追加しようとするんだ。そう思って、僕は歩いてきた。

0 件のコメント:

コメントを投稿