2014年7月20日日曜日

教師/リーダーにとって、一番大切な力は?



前回の続きだからではありませんが、まちがいなく「聴く力」です。
そして、ひょっとしたら一番欠けているのも。

教師(あるいは、リーダー)=教える/話す人(導く人)という「誤解」がいまも充満していますから、聴くことの重要性を意識できないで仕事をし続けている人が多いと思います。

私に最初に聴くこと大切さを認識させてくれたのは、『ワールド・スタディーズ』という本でした。この中に、「教えることは、問いかけること」とあったからです。問いかけたら(それは、「はい」か「いいえ」の表面的なレベルの浅い質問ではなく、じっくり考えることを促す深い質問です)、その後は聴くことを意味します。多くの場合、じっくり考えた後に、生徒同士が互いに考えを披露し合うだけの価値のある質問です。この本に出合う前までは、私も与えられた研修の期間中、ほとんど話していましたが、この本に出合った1986年以降は、話せなくなってしまいました。与えられたテーマに関連する2~3つの鍵となる質問を用意して(多くても、4~5つ)、投げかける形での研修に移行しました。

そして、その15年後に、再度聴くことの大切さを思い出させてくれたのは、ライティング・ワークショップの開発者の一人といわれているドナルド・マレーの本を読んだ時です。(特に、Learning by Teachingというタイトルの本だったと思います。)彼自身は、学校で教えたことも、研究者だったこともない、ジャーナリストだった人なのですが、その人が書くことを教え始めて、何よりも大切なことは「聴くこと」だと強調していたのです。要するに、カンファランスです。(日本の作文教育で、教師の役割を聴くことを捉えられている人は、何人いるでしょうか?)

でも、このことは書くことを教える時だけでなく、すでに読むことを教える時に最も効果的であるがことは証明されていますし、算数・数学、社会、理科など他教科を教える時にも効果的であることが証明されつつあります。

なぜでしょうか?

誰が学ぶ際の主役であるかをわきまえた方法だからなのではないでしょうか。(他に、理由が考えられますか?)それに対して、教師やリーダーが一生懸命にがんばって話し続ける/教え続ける授業や学校運営は、主役が誰なのかを見失っている授業/学校運営としか言いようがありません。

聴く力を身につけることは大切なことですが、いい投げかけ/問いかけができるようにすることも同じレベルで大切です。
そのための練習として最適なのは、これまでに何度もこのブログで紹介してきた「大切な友だち」です。小学校の中学年ですら、練習で見事にやれてしまいますから、大人ができないはずはありません。ぜひ、聴く力と問いかけ力を磨いてください。

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