「インストラクショナルデザイン」島宗 理(しまむね さとる)2010産業図書 という本があります。大学での授業で使うために読んでみたのですが、興味深い箇所がありました。
それは、「インストラクション16の鉄則」です。
その鉄則とは以下のようなものです。
� 何を教えるのかをはっきりさせる
� 学びにコミットする 「教える」=「学ぶ」ではない
� 何のために学ぶのかをはっきりさせる
� 成功の基準を明確にする
� 標的行動を見せてやらせて確認している
� 意味のある行動を引き出している
� 正答を教える
� 誤答を教える
� スペックを明記する
� 学び手に関する情報を把握する
� 学び手は常に正しいとする視点を忘れない
� 教え手に関する情報を把握する
� 学ばせて楽しませる工夫をする
� 個人差に配慮する
� 「わかりました」で安心しない
� 改善に役立つ評価をする
このブログで取り上げている内容とも共通するものが多いのですが、特に次の二つに注目しました。
★鉄則�「標的行動を見せてやらせて確認させる」
分かりやすく教えるには
標的行動を
(1) 説明する(見せる)
(2) 行動させる(練習させる)
(3) 習得を確認させる
★鉄則中の鉄則�「学び手は常に正しい」
個人攻撃の罠
子ども(学生)が宿題をやってこない→「こいつら、やる気がなさすぎ」
同じことを繰り返し説明してもわからない→「この子(人)は適性がない」
自分が教えた子どもができないのは、子どものせいだとする教師は少なくありません。
「私はちゃんと教えたのに、できないのは(忘れてしまうのは)子どもがわるい」
こんな言い方をする教師に出会ったこともありました。
そんな、「個人攻撃の罠」にはまらないようにして、「学び手は常に正しい」と考えることで教師としての力量向上を図れるのではないでしょうか。
この本には次のような演習問題があります。
問1 あなたは小学校6年生の学級担任です。いつも宿題を忘れる児童に対して、個人攻撃の罠にはまらないように、なぜこの子は宿題を忘れるのか、考えられる原因をすべて書き出してください。(荒唐無稽の原因でも構いません)
「この子は、いつも宿題を忘れて、やる気がないんだから」と決めつけずに、このような視点から考えてみることも大切です。
そして、この本では「インストラクションとは相手から何かの行動を引き出すための仕掛けである」と結論付けられています。
もう一つ興味深い紹介がこの本にありました。
関連サイトとして、アメリカ・シアトルのモーニングサイドアカデミーの話が書かれています。
シアトル郊外にある私立学校で、インストラクショナルデザインの考え方を取り入れて、学習障害などの子どもたちを指導している学校だそうです。
興味のある方は以下のURLをご覧になってください。
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