このところ連日、「大津市のいじめ事件」が新聞、テレビで報道されています。
自ら命を絶った生徒の心情を思うと、何ともやりきれない思いをだれもが抱くのではないでしょうか。
これから捜査によって様々なことが明らかになっていくのでしょう。
この事件に対して、様々なコメントが出ています。
私が今回の事件で強く感じることは、わが国の教育システムがもう耐用年数を過ぎているということです。
これまで同様の事件が何回繰り返されてきたでしょうか。
そのたびに、文科省や文部科学大臣のメッセージが発せられ、教委を通じて指導体制や道徳教育のあり方の見直しなどについて指示がありました。
当事者である学校、教委の責任はもちろん重大だと思いますが、同様の事件が繰り返し起きるということは、このシステム全体がおかしいのだとだれもが気づくべきときではないでしょうか。
「管理の論理」で動いている学校・教委は「隠ぺい体質」を払しょくできない組織です。自分たちに都合のわるいことはいつまでも隠そうとします。
ただ、いつかは明るみに出てしまうのですが、その内部にいる人間にとってはそれがわかりません。
今回の事件で、生徒へのアンケート調査のことを口外しないように当該保護者に「確約書」を書かせた神経はまさにそれを物語っています。そんなものを書かせたら、いつかは明るみに出てしまうというだろうという常識的な判断ができません。
それに対して、PLC(プロフェッショナルによる学びの共同体)にいる人間は、当然、社会一般の人が持ち合わせている常識を持っています。「管理の論理」だけで動いている共同体にいる人々は、自分たちに都合のよい常識しか持ち合わせていません。
「自殺といじめの因果関係」を断定できないという学校や市教委の判断は、自分たちに都合のよい常識・感性から導き出されたものでしょう。今回の件では、普通に調べれば、だれがみても「因果関係あり」です。
文科省も大津市からの要請を受けて、担当者を急遽派遣するそうですが、一体その人に何ができるのでしょう。
最近、つくづく思うことは、これから5年ぐらいが日本再生のラストチャンスではないかということです。当然、教育はその中心にならなければなりませんが、教育もすでに世界の最先端から3周以上遅れています。
「学力向上」で学力テストに血眼になったり、押しつけの道徳教育に一生懸命になったりしても、何ら問題は解決しません。
まず、今回の事件をきっかけに、日本の教育システム再生に何が必要かということに真剣に向き合う必要があると思います。すべてはそこから始まります。
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