2026年5月17日日曜日

「新プロジェクトX~挑戦者たち」で紹介された方法が参考になる!

それは、5月9日の夜に放送された「不屈の酒~福島 日本一への逆転劇」のことです。全国新酒鑑評会の金賞受賞数で9回連続日本一となった福島の酒。しかし、かつては「安いがまずい」とさげすまれていたそうです。そんな状況を打破するため、金賞日本一を目指しライバル同士だった酒蔵たちが結集。研究者とともに技とデータの力合わせた新たな酒造りをはじめたというのです。

 東北地方の5県でも足を引っ張る存在と酷評され、返す言葉がなかった状態だったのを、当初は数軒の酒蔵と研究者が互いの酒を飲み合いコメントし合う会を定期的にもち始めました。最初は、あまりコメントも出なかったようです。しかし、目的ができるだけ多くの金賞を受賞することですから、うまい酒を造らなければならないので、回を重ねるごとにコメント/フィードバックは効果的になっていったそうです。と同時に、参加する酒蔵も増え、そういう地道な努力が結果的に「全国新酒鑑評会の金賞受賞数で9回連続日本一」につながったわけです。

 これを見ながら、私が思ったのは、この方法を教師の授業改善に使えるのでは、ということでした。基本的な状況は、日本の先生たちが行っている授業も、福島県の酒蔵が30年ぐらい前に抱えていた問題と同じです。決して自慢できるものではありません。そういう状況のなかで、全国各地で研究授業+研究協議が行われてきましたが、それが授業をよくするために貢献してきたかというと、ひょっとしたら、まずい授業を維持する役割の方がはるかに大きいのではないかと思ってしまうぐらいです。一斉指導を前提とした指導案や教材研究が大事にされていることからも、明らかです。それは、生徒たちの存在やニーズは二の次、三の次を宣言しているようなものですから!

 それでは、授業をよくし続けるための会はどのようなものなのか?

 ヒントは、福島県の酒蔵と研究者が互いの酒を飲み合いコメントし合う会にあります。それも、「技とデータの力合わせた新たな酒造り」が大きなヒントになります。授業は「技」とは捉えられてきたのかもしれませんが、データの部分が弱いというか、ほぼ皆無の状態が続いてきたと思います。新プロジェクトXの番組ではっきり紹介されていましたが、しっかりした数値がよりよい酒造りの大きなきっかけになっていました。研究者が、「味に関する指標を1%変えるだけで、おいしい酒になります」と言い切り、それを踏まえた酒造りをした結果、確かにおいしい酒ができたのです。また、温度や時間をこれまでは杜氏の「技」だけでやってきたのを、科学的なデータとして考えるようになったことも紹介されていました。

 授業でも「技」の部分は大事であり続けます(なにせ、生徒と教師、生徒と生徒、生徒と学習材とのやりとりで成り立ちますから! さらには、場所と時間、対象と天気等によってやりとりの内容は違ったものになりますし、違わなければなりません!!)が、科学的なデータの部分も大事にしないと、よくなるものがよくならないことも事実です。

 この点で参考になるのが、『インストラクショナル・コーチング』です。特に、「データ」丸一章扱っている第5章は、研究授業+研究協議のあり方自体を変えるヒントを提供しているかもしれません(もちろん、そのような使い方よりも、『インストラクショナル・コーチング』に書かれているほうがはるかに効果的ですが★)!

 

★研究授業+研究協議は問題山積み★★です。その一つは、それがサイクルとして捉えられていないことです。もう何十年も、イベント(1回やったら、それでOK)として捉えられていますが、よくするためには、サイクルにしないと無理です。それは、授業も同じです(https://projectbetterschool.blogspot.com/2023/01/blog-post_15.html

https://projectbetterschool.blogspot.com/2023/11/vs.htmlを参照)。授業改善も『インストラクショナル・コーチング』の第4章「インパクト・サイクル」で詳しく説明されているように、サイクルとして取り組まないと!


★★ 研究授業+研究協議が、もう何十年もほとんど何も変更されずに続いていること(同じようなことが他にもたくさんありますが、その代表は大学の授業です。一コマ15時間! それで学びは成立するでしょうか? なぜ大学の先生たちは謀反を起こさないの?!)が不思議でなりません。それほど問題は、多いし大きいです(研究授業+研究協議の問題についてお知りになりたい方は、pro.workshop@gmail.comに連絡ください。)

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