2021年6月4日金曜日

教師の「希望」を実現する教え方・学び方

「なぜ私たちの州には『州の昆虫』がないのですか?」


第2章に示されているPBL(プロジェクト学習)の展開として紹介されている学習のスタート地点が、この生徒の発言です。

この生徒の疑問から、州のシンボルの意味や昆虫の生息地、絶滅危惧種とは何か、それを決める存在である議会とは何か、州議会への働きかけ・・・というように、生徒がさまざまな学びを展開する。これがPBLの醍醐味です。


 しかし、「PBL」と言われても、横文字の名前の学習はとっつきにくい人も多いのだろうと思います(昨年度、当時のゼミ生に「PLB!」と言われて、私はポカーンとしてしまいました…)。でも、そう特別なものでもないように思います。


帯文にもある、教員にPBLを展開していくための問いである「あなたが教職を志した理由は何ですか?」という文言。

おそらくほとんどの人が、「生徒に◯◯を考えて欲しい!」と思って教職を志したのではないでしょうか。そしてそれは、一つの教科の枠にはおさまらないほど、壮大なことだったのではないでしょうか。今思えば、恥ずかしいところもあるかもしれませんが(私は「ラブ&ピース」を考えてほしいなどと本気で思っていました。お恥ずかしい…)、そんな「希望」を持っていたことでしょう。きっと、それが生徒たちにとって、「学ぶ意味を感じられるもの」となるはずだと信じて。


ただ、私も、そして皆さんの多くも、大学で教員養成の道を歩み始めてから今まで、教科という枠を大切にしてきて育ち、主に中学校・高校ではその枠で採用され、そして教科書に過度に縛られすぎるなどの現実に向き合い…こうして私たちは、その「希望」を一旦棚上げしたり、もしかすると視野も狭くなったりしてしまっているかもしれません。


「カリキュラム・マネジメント」、「教科横断」、「探究」…このようなことばをキーワードとして、これからの時代の学習のあり方の議論がなされている今なら…。そんな「希望」を形にすることも「よい取り組み」だと見なされるのではないかと思います。世のなかが後押ししてくれているのも同然です。自分が本来もっていたその「希望」を実現できるはずです。その方法がPBLだと言えるでしょう。


もちろん、「先生の想い100%」で突っ走るだけではいけません。学習として成立するために考慮すべき、さまざまなポイントもあります。そこで、本書で扱われている内容が役に立つのです。本書は、その先生の「想い」を見据えつつ、学習者が駆動させる学びの設計をサポートしてくれます。

*****


  以上は、『プロジェクト学習とは』の訳者の池田匡史さん(兵庫教育大学大学院)が書いてくれた紹介文でした。


◆本ブログ読者への割引情報◆

1冊(書店およびネット価格)2970円のところ、

PLC便り割引だと   1冊=2700円(送料・税込み)です。

5冊以上の注文は    1冊=2600円(送料・税込み)です。


ご希望の方は、①書名と冊数、②名前、③住所(〒)、④電話番号を 

pro.workshop@gmail.com  にお知らせください。

※ なお、送料を抑えるために割安宅配便を使っているため、到着に若干の遅れが出ることがありますので、予めご理解ください。また、本が届いたら、代金が記載してある郵便振替用紙で振り込んでください。

 


0 件のコメント:

コメントを投稿