『校長先生という仕事』は、学校をよくするためのリーダーの役割や具体的にできることについて書いた本です。それを校長に代表させる形で。しかし、教師一人ひとりも、子どもたちや親から見れば、まちがいなくみんなリーダーです。
そのパート3には、下の図のような6つのリーダーの役割が整理されて紹介されています。校長に限らず、先生たちの多くも、管理は突出しているかもしれませんが、他の部分は結構弱い気がしてしまいます。(それが、そもそもこの本を書いたきっかけでした。)それぞれを10段階で評価すると、あなたの6つの自己評価はどんなものになるでしょうか? 下の図に折れ線グラフを書き込んでみるといいかもしれません。
今回のテーマは、その6つのうちの一つの「自分を大切にする」です。
本の217~8ページに、自分を元気に保つ具体的な方法が、14項目書かれています。そのうちのいくつかを紹介すると:
・スケジュールの中に自分の時間を確保する
・よく寝る
・何か趣味を持つ
・友だちとの時間を持つ
・すべて自分がしなければいけない、と思わない
・自分の限界を知り、受け入れる ~ 己を知る
先日読んでいたある英語の教育雑誌には、教師以外の自分をもつことの大切さが書かれていました。自分を教師以外の、写真家、登山家、料理家、詩人、ガーデニングが好きな人、ペット愛好家、地域活動家・・・・といった別のアイデンティティを持つことの大切さです。それがあることで、いつもいる場である学校以外の空気が吸え、創造力が養われますし、エネルギーを蓄えることもできるからです。そして、人間としての幅や視野が広まります。★さらには、そこから得られた満足(や知恵やスキル)を子どもたちと共有することもできます。
「忙しいのに、そんな時間をどこからもってこれるというのですか?」という声が聞こえてきそうです。
そういえば、2年前に訳した『理解するってどういうこと?』の中でも、自分を大切にすることが繰り返し強調されていましたから、どこの国でも状況は変わらないようです。そしてその中には、たしか、1週間に最低でも90分の自分の時間は確保しましょうという具体的な提案までされていました。★★
教師という仕事は、他人の成長をサポートする=他人の面倒を見る仕事です。それをうまくやるためにこそ、成長し続ける自分=継続してエネルギーを充電する時間の確保をお忘れなく!
★ 視野が狭いままだと、『算数・数学はアートだ!』に書かれていることがすべての教科で起こり続けます。あるいは、http://wwletter.blogspot.jp/2016/05/blog-post_20.htmlに書かれていることが。負のスパイラルを正のスパイラルに転換する機会もなかなか得られません。
★★ いったん好きなことになってしまうと、時間がない、とこぼす人はいません! 時間はつくれてしまいます。それに対して、嫌いなものや必要性を感じない限りは、「時間がない」で済ませるようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿