2015年12月20日日曜日

若手教員★の効果的なサポートの仕方

いま多くの自治体で新任教師を含めて若い先生が増えています。
でも、いったいどうやって「いっぱし」の先生になってもらったらいいのでしょうか?

いわゆる「研修」でないことだけは確かです。★★

ポイントを以下の3つに絞りました。

1.何を身に付けること/身に付けたいか優先順位をはっきりさせる
2.具体的なモデルを見てもらう
3.「大切な友だち」としてフィードバックし続ける

これは、ライティング・ワークショップやリーディング・ワークショップの授業でしていることと同じです。★★

詳しく見ていきます。

1.たくさんあるかもしれませんし、必要性が(見えてい)ないので少ないかもしれません。いずれにしても、『たった一つを変えるだけ』の質問づくりの要領で、当人がリストアップしてみます。サポートする側も「客観的な立場」で見ていて必要性の高いもののリストを出してみて、両方を併せたものの中から、年度内に取り組む優先順位を決めます。3つも決めれば十分ではないでしょうか。(ライティング・ワークショップやリーディング・ワークショップの時にするカンファランスと同じです。あまりたくさんのことを一挙に取り組んでも身に付きませんから。)こうすることで、当人が身に付けたいことだけでなく、必要性の高いものも含まれる可能性が高まります。
 また、こういうプロセスを経ることで、やらされ感よりも、「やるぞ!」ないし「やらなければ!」という意識も高まります。

2.実際に取り組む際に何よりも参考になるのは、理想に近い状態を実際に見てもらうことです。校内で不可能な場合は、近場で探して。実現すべき姿を明確にしたら、あとはそれにどう近づいていける(あるいは、それを越えられる)かの模索が続きます。
 その意味では、サポートする側はいろいろな状況を知っている/情報を集めている必要があります。(これが、いまの学校では大きな課題かもしれません。でも、管理職や教育委員会の指導主事も有効に活用して、情報集めをしてみてください。)
 もし、身近に見つからない場合は、本や雑誌の記事を一緒に読むという選択肢もあるかもしれません。ブッククラブの要領で

3.改善のプロセスが展開している間、ライティング・ワークショップやリーディング・ワークショップの「大切な友だち」=カンファランス的なフィードバック★★★が常にあると、フィードバックされる方はもちろん、する方も常に成長できます。


ここに書き出したことは、「人事考課」の名の下に、管理職と教員がしていることを実効性のあるものにすることと言えるかもしれません。ほとんど機能しているとは言い難い教員研修(研究)や人事考課を実質の伴ったものにするためのヒントにしていただければ幸いです。


★ 年は取っていても、教師として身に付けるべきものをもっていない教員も当然のことながら対象に含まれます。

★★ いい授業といい研修(というか、教員の学び)は、構造的に同じなのですが、どうも両方ともが悪い形で行われているのが日本の学校での学び方という気がします。この辺について詳しくお知りになりたい方は、『「読む力」はこうしてつける』の58~68ページと、『ペアレント・プロジェクト』をご覧ください。)

★★★ いわゆる伝統的な指導とは、大分ニュアンスが違います。そうでないと(もちろん、それも部分的には含まれてはいますが)、相互に学び合える関係にはなりませんから。


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