2022年4月3日日曜日

パートナーシップに根ざしたリーダーの時代

いつの時代にも、さまざまなタイプのリーダーがいた。権威主義的なリーダーもいたし、民主的なリーダーもいた。学校は、民間企業などに比べると、比較的フラットな社会であると言われており、そこでのリーダーシップのあり方は、まだ確立されたものはないようにも思える。

我が国の学校における、学校リーダーがリーダーシップを発揮しやすい環境を整えようとする動きはあった。2000年の「学校教育法施行規則」の一部改正による職員会議の法的位置付けが規定されるなどの法改正だ。

現状で、日本の学校リーダーは望ましい方向に変わってきているでしょうか?

今後の学校リーダーシップのあり方を考えるうえで、参考になりそうなのが「パートナーシップの原則(The Partnership Principle)」だ。この考え方を主唱しているジム・ナイトは、教育コーチングの研究者であり実践家だが、著書の中で次のように述べている:

「パートナーシップの原則は、実行するには難しさもある。なぜなら、それはリーダーに権力を放棄することを求めるからである。多くの人はそれを望まない。しかし、トップ・ダウン型のリーダーは、その地位によって権力を得てるに過ぎないが、パートナーシップ型のリーダーの権力にはより価値があると言える。なぜなら、人々が自ら望んで、そのリーダーを支持したいと考えるからだ。」(p.177)★ 

ナイト氏が提案する「パートナーシップの原則」は、次のとおりだ:

平等性: 全て人に同等の価値がある。
 
選択:自分自身で選択できることで主体性が生まれる。

声:相手の意見や感情を理解し、共有しようと努める。

対話:対話の中で、影響しあい、学び合う。

振り返り:より深い省察によって学ぶ。

実践:教室(実践の場)において最もよく学べる。

相互主義: 一方が他方を教えるのではなく、お互いに学び合う関係となる。

この原則は、学校コーチングが成功するための、不可欠な原則として提案されているが、学校リーダーが職場や地域で、良い人間関係を築き、学校づくりを進めるうえでも、参考となることが多いのではないだろうかと思う。

特定の価値観を、一方的に教え込むことに価値があった時代は終わった。トップダウンでものごとが、決まり、動いていけばすむほど、教育という営みは単純とも思えない。

学校に関わるすべての人が、パートナーとして、協働し合いながら歩んでいく。そういった新しいリーダーシップが求められる時代になっているのではないかと思う。

★ 出典をお知りになりたい方は、pro.workshop@gmail.comに連絡ください。

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