2021年10月10日日曜日

イノベーター・マインドセットに必要な8つの特徴

オンライン授業の甲斐あってか、感染者が減少し緊急事態宣言も明けてようやく学校も落ち着いてきた頃ではないでしょうか。11台のICT端末が配られることによって革新的なことができた学校がある一方、何もこれまでと変われなかった学校もありました。私たち教師は子どもたちに求めている創造的な学び以上に、教師自身が創造的にならなくては、何も変えられない実態が浮かび上がっています。

 



ジョージ・クロース著 白鳥信義・吉田新一郎訳『教育のプロがすすめるイノベーション 学校の学びが変わる』では、イノベーターのマインドセット(心の持ち方、考え方)は、能力、知性、才能が開発され、それが新しくてより良いアイデアの創造につながる思考様式とし、このイノベーターのマインドセットが教育に関わる全ての人にとって必要であるといいます。イノベーターのマインドセットにおける8つの特徴★が、ご自分がどのように実践しているのか、取り入れられそうか、振り返ってみてください。

 




    共感的

自分自身がこのクラスの生徒になりたいか?

共感的な教師は、教室の環境と学びの機会を教師の視点ではなく教師中心から学習者中心へと転換し、子どもの視点から考えられるということです。

 

    問題発見/解決者

問題を見つけることは、学びの大切な一部である。

よりよい問題解決者になる手助けは、より良い問題発見者をどのように育てられるかということです。教師は子どもたちに問題を提示してしまうために、本来子ども自身が見つけなければならないことを丸ごと経験できていません。

 

    リスクテイカー

学習者のニーズを満たすために、授業をよりよく教える方法はあるのだろうか?

革新的な教え方と学び方にはリスクがもちろん伴います。一人一人の生徒のニーズを満たすためにはリスクをとることが必要です。実践に伴うリスクは必要不可欠であり奨励されるべきものです。

 

    ネットワーク

全てのアイデアは、根源的にアイディアのネットワークです。

人々が積極的にアイデアを共有する教室ネットワークは、より良いアイデアが生まれます。アイディアを共有し、思考を明確にして、新しくより良いアイデアを作り出すことなのです。孤立はイノベーションの敵なのです。もっと学びを共有する必要があります。

 

    鋭い観察力

ひらめきはいたるところにあり、しばしば予期せぬ場所にあるものです。ただそのことに注意しておく必要があります。

効果的な学びの機会を作り出すには、教育分野以外で共有されているアイディアからも、学んでそのアイディアを生徒のニーズに結びつけていること。そのための観察力です。

 

    クリエイター

学びとは作り出すことであり、消費することではありません。知識は学習者が吸収するものではなく、学習者が作成するものです。

何かを作り出すことは、情報への個人的なつながりを深め、より深い理解をするための重要な鍵となり、この作り出すということが非常に重要なのです。

 

    回復力

それが出来ないという人は、それをしようとする人を妨害すべきではない

イノベーターのマインドセットを持っている人は、日々新しいものへの挑戦となるため絶えず反対され、問われ続けることとなります。人は新しいものや異なるものに対して身の危険を感じるものです。学校という環境は子どもの思考を広げることに挑戦し励ますために最適な場所であると同時に、彼らが挑戦して失敗しまたやり直すことのできる安全な場所でもあるべきなのです。

 

    振り返り

何がうまくいったのか? うまくいかなかったのか? 私たちは何を変えられるんだろうか? どのような質問が前に進むのに役立つだろうか?

どのような場面においても学びを再検討することで、微調整、修正、再発見することができる領域を見つけることが可能です。私たちが取り組んできた努力やプロセスに疑問を抱くことは、イノベーションにとても重要なことです。後ろを振り返ることは、前を向くために不可欠なのです。

 

“良い教師とは現行制度の制約内で生徒にとって革新的な学びの機会を工夫できる人これが私の信念です実際そうすることが不可欠だと私は思っています。”著者

 

何かを変えようとするには、制約はつきものです。情熱をもち、かつしたたかに取り組んでみましょう。イノベーションのマインドセット8つの特徴は、つまずいたときの私たちの支えとなってくれるはずです。私たち教師がモデルとして示すことだけが、子どもたちが得られるものですから。


イノベーターのマインドセットにおける八つの特徴(本書P.53より

https://georgecouros.ca/blog/archives/4783 (英語ソースはこちら)

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