2018年9月23日日曜日

「書くこと」と「学ぶこと」の関係?!


 日本の教育は、残念ながら、書くことを学ぶ際にまったく活かせていません。
 「ノート指導」という言葉は存在しますが、そのほとんどは、教師が板書したものをどれだけきれいにノートに取れるかに集中しています。
 何が欠けているかというと、書くことを通して自分の思考を育てる部分です。
 それは、教師(大人全般)が会議やミーティング等で熱心に話者の言っていることをメモに取ることからも言えます。全員が熱心にメモを取るのですが、残念ながら、それをしている過程の思考はほぼゼロですし★、メモが読み直されることもほぼゼロなので、見た目にはみんな熱心そうに見えますが、その場から生まれるものは、限りなくゼロに等しい状態が続きます。(ということで、教室で起こっていることは、一般社会で常日頃行われていることの縮図に過ぎないということです!)

 『イン・ザ・ミドル』に、以下のような記述があります。

「書くことは、紙の上でひたすら考えに考え抜くことで、多くのやり方がある。書き手は何をするのか?」
自分の経験から、「書く」とは「紙の上で考える」ことだと学びました。書いたことを読んでそれについて考えるし、時には少し、時にはたくさん考え直し、さらに考えてもっと書き足します。考えが頭の中から順序良く、切れ目なく流れてきて、それを書きとめる、というようなものではありません。そうではなくて、書くことで、考えを発見するのです。意味を創り出すのです。書き手がすることは乱雑で複雑であると同時に、素晴らしいことでもあります。考えることができて、そのための時間をとれる人なら、誰でも書くことができます。さあ、できるだけ限りのブレインストーミングしてみましょう。みんなも話すし、私も話します。私が記録しますから、今から、書き手がすることを、どんどん考えてみましょう。161ページ)

 あるクラスでのブレインストーミングで出てきた結果が図版4-1です。
  
 ブレインストーミングが一段落すると、『イン・ザ・ミドル』の著者は、次のように生徒に話して締めくくりました。

書き手が実際にしていることがとてもたくさん出てきました。書くことは、楽しくって、大変で、直線的には進まないものです。書き手は、ここで挙げたいろいろなことの間を、行ったり来たりします。もちろん、ある時点で、ここでよしとして、迷うことをやめて、作品を世に送り出します。授業では、ここにリストされたことを上手に行う方法を教え、それを練習する時間も提供します。カート・ヴォネガット・ジュニアが言うように、作家とは、頭がいい人とは限らないけど、紙の上で考えることと時間の使い方、そして忍耐することを学んだ人たちなのです。162ページ)

・日本の作文教育は、こういう視点で行われているでしょうか?
・問題は国語の書く指導に止まりません。国語以外の教科で「書くこと」を、思考を深めたり、広げたりすることに活かせているでしょうか?
 ここまでは、書くことに焦点を当ててきましたが、まったく同じことが「読むこと」についても言えてしまいます。
・読むことを、思考を深めたり、広げたりするために活かさなければならないのですが、活かせているでしょうか? (これも、国語の読解の授業だけでなく、すべての教科で、です!)
・さらには、話すことや聞くことでも同じなのですが、やれているでしょうか?
 学ぶこと=書くこと、読むこと、話すこと、聞くこと=考えること、です。★★
・書くこと、読むこと、話すこと、聞くことを通して考えていなければ、いったいどうやって学んでいるというのでしょうか?

★ もっと言えば、メモを取ることが思考させない結果を生んでいるとさえ言えます! この方法を乗り越える方法については、『会議の技法』を参照してください。

★★ このことを私に気づかせてくれたのが、『「読む力」はこうしてつける』でした。

 以上のことを、私に考えさせるきっかけになった文章を以下に貼り付けます。(訳を付けないですみません。ひょっとすると翻訳ソフトを使うと、かなりの精度で日本語になるかもしれません。たとえば、https://translate.google.co.jp/?hl=ja の左側に下のコピーを貼り付けると、瞬時に右側に日本語訳が表示されます。)

Unfortunately, few teachers ever learn about writing’s "incredible" power to "enable thought to operate much more deeply" on everything we read and learn (Walshe, 1987). Although teachers realize writing’s general importance, most aren’t adequately aware of the fact that higher-order, analytic thought likely isn’t possible without engaging in some form of writing, or that we can literally "write our way" into a deeper understanding of complex texts or concepts that previously mystified us (Zinsser, 1988). Decades of research attest to writing’s unrivaled ability to facilitate understanding and help people evaluate, reconstitute, and synthesize knowledge. Writing enables students to generate their best thinking in its most effective form (National Commission on Writing, 2003; Sundeen, 2015).
That’s why writing and speaking constitute the most sought-after skill set in business and industry and why many corporate recruiters rank these abilities twice as high as managerial skills (Hurley, 2015). Writing plays a more significant role in the school systems in countries that score high on PISA than it does in the schools in the United States (Darling-Hammond, 2010; Ripley, 2013). But extensive student writing is a frighteningly low priority in U.S. schools.
Having students write across the disciplines could have more impact on college success than any other factor.

Reference: Demystifying Writing, Transforming Education (Writing enables deeper thinking and learning in every content area. Let’s teach it in every content area), by Mike Schmoker, in Educational Leadership, Volume 75, Number 7, April 2018, p.23.


0 件のコメント:

コメントを投稿